Lisaエミュレーター(セットアップ編)

Lisa Emulator ProjectのLisaEmが2020年8月にバージョンアップされたことは知っていましたが,動作確認をしていませんでしたので,久しぶりにやってみました。64bitアプリケーションでCatalinaまでは動作確認が行われていますので,Catalina環境でセットアップを行います。

インストール

Lisa Emulator Projectからインストーラーをダウンロードしてインストールします。そこからの設定方法を忘れてしまっていたので,思いだしながらやってみます。

バージョンが古いもののようですが,マニュアルがあります。現在のバージョンとは異なる部分が多いようです。

GS WorldViewのアーカイブからROMを拝借します。本当はROMリーダー/ライターで読み出す必要がありますが,実機を持っているので許していただきます。

ダウンロードしたzipファイルを解凍して,次のファイルを使用します。

 

341-0175-F Lisa 2 Boot ROM Hi (old)
341-0176-F Lisa 2 Boot ROM Lo (old)

341-0175-H Lisa 2 Boot ROM Hi
341-0176-H Lisa 2 Boot ROM Lo

拡張スロットに2ポートパラレルカードを装着し,5MBのProFileを接続した状態をエミュレートする場合には,341-0193-A Lisa Parallel Interface Cardを併せて使用します。

基本的にはLisa 2/10およびMacintosh XLのH ROMでよいと思います。古いソフトウェアを実行したい時はLisa 2J5の標準だったF ROMの方がよいと思います。bitsavers.orgにROMの解説がありますので参考にして下さい。

ROMファイルの名前を変更します。H ROMの場合です。

3410175H.BIN → boot.hi

3410176H.BIN → boot.lo

ダウンロードした時の拡張子が.BINなので,拡張子が変更されたことを確認することが大切です。ターミナルでmvしなくてもFinderでファイルの情報を表示して書き換えれば問題ありません。

 

LisaEMを起動してPreferencesを開いてROMを読み込みます。初めにboot.hiを読み込んでApplyします。もう一度Preferencesを開いてboot.loを読み込んでApplyします。FileメニューからPreferencesを保存します。

この作業を行ってKeyメニューからPower Buttonを選択してすると,ROMファイルと同じディレクトリにhiとloを結合したboot.ROMが作成されます。当時は8KBのROMが普通の時代だったので,合計16KBのROMファイルとなります。

PreferencesのLisa ROMにboot.ROMを指定します。I/O ROMはA8または88でよいと思います。参考までに実機のLisa2/10はH/88で稼働しています。なおPreferencesの保存を忘れずに。

2ポートパラレルカードを使用する場合は,Preferencesのslot1タグ(2でも3でも可)で使用を宣言してROMを読み込ませます。

LisaEMのKeyメニューからPower Buttonを選択するとLisaが起動します。

パラレルポートに接続するドライブの仕様を聞かれたら,とりあえず10MBのany OSを指定しましょう。

X/Profile搭載の実機では起動プロセに30秒程度かかります。(10MBのWidgetドライブや5MBのProFileの場合は,セクタチェックのために2〜3分必要です)

エミュレーターではハードウェアチェックがバイパスされているのかもしれません,一瞬で起動します。

次回はLisa OS 3.1をインストールしてみたいと思います。

Catalinaよりも新しいmacOSでLisaEmを実行する場合は,次のような対策を行ってみてください。

LisaEmが起動しない場合

システム環境設定 >> セキュリティとプライバシー >> フルディスクアクセスでLisaEmにフルディスクアクセスを許可する。(ファイルとフォルダへのアクセス許可でも動くようになるかもしれませんのでお試しください)

LisaEmを終了するときに異常終了する

LisaList2の投稿によると,LisaEm RC5-2024.01.01で修正されているようです。このバージョンのバイナリーリリースが行われていないので,気になる方はご自身でBuildしてみてください。