macOSでNTFSボリュームを読み書きする

現在メインで使用しているミュージックサーバーcocktailAudio X45の音源を入れ直すことにした。ネットワーク経由でsmb接続して音源を転送することもできるが,約1.5TBのコピーは何時間かかるか分からないのでやりたいくない。一般的にミュージックサーバーの場合,動作補償の問題があるのだろうと推察するが,出荷時に記録媒体が組み込まれていてユーザーが簡単に取り外してアップグレードできるものは意外に少ない。X45の場合,ユーザーが内蔵ディスクを簡単に取り外して交換できる点が大変優れている。LinuxやCentOSベースのNASなどでは,フォーマットがXFSやex4であることが多く,WindowsやmacOSでは簡単に扱いにくいのだが,X45ではNTFSまたはexFATというPCで扱いやすいフォーマットなのもありがたい。

現在NTFSでフォーマットして使用している2TBのSSDをX45から取り外して,USB Type-C接続のケースに収納してMacBook Proに接続して,USB経由で楽曲を転送しようと思う。

macOS標準ではNTFSボリュームはRead Onlyのボリュームとしてマウントされる。

MacFUSE や有償ソフトを使用すればNTFSボリュームに対して書き込みを行うことができるのだが,もっとお手軽に実現する方法をまとめておく。なおOSはCatalina(10.15.7)である。これ以外のバージョンのmacOSでも多分問題ないはずである。

まずNTFSでフォーマットされたSSDをUSB外付けディスクとしてMacに接続する。デスクトップ上にアイコンが表示されるが,当然Read Onlyになっている。

ターミナルを起動してディスクの状態を確認してみる。

 

% diskutil list
/dev/disk0 (internal, physical):
   #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
   0:      GUID_partition_scheme                        *2.0 TB     disk0
   1:                        EFI EFI                     314.6 MB   disk0s1
   2:                 Apple_APFS Container disk1         2.0 TB     disk0s2

/dev/disk1 (synthesized):
   #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
   0:      APFS Container Scheme -                      +2.0 TB     disk1
                                 Physical Store disk0s2
   1:                APFS Volume Macintosh HD            11.2 GB    disk1s1
   2:                APFS Volume Macintosh HD - Data     470.8 GB   disk1s2
   3:                APFS Volume Preboot                 88.5 MB    disk1s3
   4:                APFS Volume Recovery                528.9 MB   disk1s4
   5:                APFS Volume VM                      1.1 GB     disk1s5

/dev/disk2 (external, physical):
   #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
   0:      GUID_partition_scheme                        *2.0 TB     disk2
   1:       Microsoft Basic Data                         2.0 TB     disk2s1

 

/dev/disk2がNTFS形式のSSDである。実際に使用するのはdisk2s1パーティションである。これが確認できたらいったんNTFSのパーティションをアンマウントする。Finderから取り出しでも良いが,ターミナルにいるので以下のコマンドでアンマウントできる。diskutilだとunmountdiskだが,単発コマンドはumountなのでスペルミスに注意。

 

% sudo umount /dev/disk2s1
または
% diskutil unmountdisk /dev/disk2s1

 

マウントポイントとなるディレクトリを作成する。読み書き可能なディレクトリであればどこにあっても構わないが,アクセスしやすいようにホームディレクトリ直下にNFSというフォルダを作成してみた。

ターミナルに戻り以下のコマンドでマウントを実行する。

 

% sudo mount -t ntfs -o rw,auto,nobrowse /dev/disk2s1 ~/NTFS

 

マウントポイントに指定したNFSという名前のフォルダがNFSパーティションの名前に置き換わってマウントされる。nobrowseでマウントしなければならないので,サイドバーにはドライブアイコンが表示されていないことに注意。

これを開けば読み書きが可能になっていることが分かる。

作業が終了したらターミナルからアンマウントする。ホームディレクトリに戻ってNTFSパーティションのアイコンを右クリックで取り出してもよい。

ターミナルに慣れていない人のためのフリーウェアも存在するので,リンクを貼っておく。Mounty for NTFS