TerraMaster D5 Thunderbolt 3
MacBook Pro 17インチ Late2010からMacBook Pro 16インチ 2019に機種変更したので,遅ればせながらついにThunderboltを使えるようになった。以前はFireWire 800で外部ストレージに接続してデータのバックアップを行っていたので,大量のデータ読み書きにはそれなりの時間を要した。この機会に外部ストレージをThunderbolt接続のものに変えようといろいろな製品を比較して,D5 Thunderbolt 3を導入することになった。USB Type-CでUSB-3.0規格の製品はかなりの数が出回っているのだが,Thunderbolt規格の製品はそれほど選択肢が多くない。しかも2ドライブでRAID0またはRAID1の製品がほとんどである。このところ10TBを超える容量のハードディスクが入手できるようになってきたが,まだ高価である。そして万一ドライブが故障したときには,容量が大きいだけに失うものも大きい。これまで1985年に5MBのProFileを購入したのを最初に,容量が増えるとともに何台ものドライブを購入し,幾度も故障でデータを失う経験を重ねてきたので,ハードディスクを100%信用することはできない。そのような背景から,やや高価であったがTerraMaste D5 Thundelbolt 3を購入したのである。
4K動画をため込んでいるわけではないので,70TBなんて必要ない。自分の人生のデータはせいぜい5TBもあればおつりが来る。(考えるとちょっと淋しい気がする)
もともと4TBドライブにほとんどのデータを収納できていたので,今回はWestern Digital RED 4TBを3台調達して,RAID5を構築した。4TB×3発なので実際に使用できる容量は8TBになる。D5 Thunderbolt 3専用のRAID Manager Proを使用すれば,比較的簡単に構築できる。
使いこなしていらっしゃる方のブログの情報通り,ドライブのスピンダウンタイムを設定すると,スピンダウン→スピンアップの時点でMacBook Proがフリーズするので,本機の設定はスピンダウンを無効にした。これでもMacBook Pro本体をスリープすると,本機も連動して待機モードに入るので,自分の使い方では大きな問題ではない。
スロット4にこれまで使っていた4TBドライブをセットして起動すると,8TBのRAID5ボリュームと4TBのシングルボリュームがマウントされるので,RAID5ボリュームにデータをコピーする。通常のデータコピーは,コピー元のデータをMacBook Proに読み込んでコピー先に書き込む動作となるので,MacBook Proはフル稼働状態となるが,本機はRAIDコントローラーを搭載しているのでデータコピーは本機の中で完結する。MacBook Proは起動しておく必要があるが,CPUは遊んでいる状態のままである。データコピーはSATAの理論値に近い速度で行われる。
データをRID5ボリュームにコピーし終えると,スロット4の4TBドライブのデータは不要なので,RAID5に組み入れることにする。この作業もマニュアル(英文)を読めばさほど難しくはない。RAID5ボリュームの再構成には約33時間ほどを要した。再構築はRAIDコントローラーがやってくれるので,再構築中でもD5 Thunderbolt 3は8TBのディスクとして使用し続けることができる。
翌日再構築作業が完了した。再構築が完了したら勝手にドライブの容量が8TBから12TBに増えると思ったら大間違いである。RAID5のボリュームサイズが変わったことをOSに教えてあげなければならない。この手順はWindowsに関してはマニュアル(英文)に書いてあるが,macOSに関する説明は全くない。ほとんど期待せずにメーカーに問い合わせてみたところ,海外の方の日本語で丁寧な回答が届いた。「WINシステムのみがRAIDオンライン拡張とRAIDマイグレーションをサポートしており、MacシステムはRAIDオンライン拡張とRAIDマイグレーションをサポートしていません。弊社は後でこの情報をTerraMasteの公式サイトに追加します。データをエクスポートしてから、4台のハードドライブでRAID5を再構成することをお勧めします」
この回答は間違っている。macOSでもRAID5再構築後の容量拡張は可能である。TeraMaster D5 Thinderbolt 3でRAID5の再構築をする人が何人いるのかわからないし,自分でもう一度再構築を行う日が来るかどうかも分からないが,念のため手順を書いておく。
作業はターミナルを起動して行う。
まずはディスクの状態をdiskutilコマンドで調べる。
/dev/disk2 (external, physical): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: GUID_partition_scheme *12.0 TB disk2 1: EFI EFI 209.7 MB disk2s1 2: Apple_APFS Container disk3 8.0 TB disk2s2
/dev/disk2/disk2s2がRAID5のAPFSパーティションである。これが12TBになる必要がある。
念のためディスクリペアを実行する。
% diskutil repairDisk disk2
データが消えるかもしれないよという警告が出るが,実際には何も起こらなかった。パーティションサイズも変わらない。
パーティションサイズを変更する。
% diskutil apfs resizeContainer disk2s2 11999g
パーティションサイズを変更するときは実際の容量よりも小さい値を指定するのがお作法だそうなので,11.99TBを指定した。コマンド実行後はこのようになった。
/dev/disk2 (external, physical): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: GUID_partition_scheme *12.0 TB disk2 1: EFI EFI 209.7 MB disk2s1 2: Apple_APFS Container disk3 12.0 TB disk2s2
無事12TBに拡張された。Finder上でも12TBに拡張されている。めでたし,めでたし。
なおディスクユーティリティでは上記の操作をGUIでできるようなのだが,何度試しても失敗するので,diskutilコマンドを使うのが正解である。