ParcPlace版Smalltalk-80

前回はAPDA版Smalltalk-80をご紹介したので,今回はParcPlace Systems版Smalltalk-80をご紹介しましょう。ParcPlaceのParcはゼロックス社のPARC(パロアルト研究所)からとられたものです。ParcPlace Systems社はSmalltalkの普及を促進するために,ゼロックス社が立ち上げた会社です。ParcPlace Systems社からは各種OSに対応したSmalltalk処理系が販売されていました。今回復活させるのは1987年発売のバージョン1.0です。動作確認はPowerBook 170,OSは漢字Talk 6.0.7.1を使用します。

インタープリタは171KB,イメージは1MB,ソースは1.5MBとなっています。APDA版がそれぞれ55KB,668KB,1.4MBですからそれほどサイズ的な違いはありません。早速起動してみます。問題なくSmalltalk-80が立ち上がりました。

サンプルプログラムを動かしてみます。"Pen penSampler"をdo itしてみました。

次は"spline splineSample"です。マウスでクリックしたポイントを結ぶスプライン曲線を描きます。

続いてアニメーションのデモです。★と○と矩形がマウスで指定した領域内を動き回ります。矩形の中には+のマウスポインタ近傍のグラフィックがリアルタイムに変化しながら表示されます。

最後はお約束の"Form toothpaste"のデモです。

ゼロックス社系列の開発会社でつくられたSmalltalk-80だけに,非常に完成度が高く,ルック&フィールはSmalltalkの伝統を継承した素晴らしいものとなっています。

なお,このParcPlace版Smalltalk-80はいくつかの会社を経て,現在は「Cincom Smalltalk Visual Works」として販売が続けられています。