Lotus Jazz
Lotus Jazzは,ロータス・デベロップメントがMac用に開発した統合ソフトです。ワードプロセッサ,スプレッドシート,データベース,通信ソフトが一体となっていました。Mac用アプリケーションがなかなか出そろわず,Macの販売が低迷していた中で,Macの人気を回復するための起爆剤として期待されていました。当時Apple社もロータス社も,相当の宣伝費を投入したようです。プログラムサイズは388KBで,動作させるためにはMac 512Kが必要でした。Jazzは4枚のフロッピーディスクで供給され,プログラムディスクとバックアップディスクにはコピープロテクトが施されていました。そのため非常に使いにくいアプリケーションだったようです。
今回Bellwood-LabのライブラリにはJazzのディスクのバックアップがありましたが,オリジナルのプログラムディスクを廃棄してしまったため,プログラムを起動することができませんでした。
インターネットにもJazzの情報はほとんどありません。Jazzのスクリーンショットはこちらに見つかりました。Jazzを起動するまでにフロッピーディスクの出し入れが7回も必要だったと書いてあります。
日本ではまだMacの日本語環境がなく,日本語が使えないビジネスソフトはまったく売れませんでした。同時期に販売されていたマイクロソフト社のMicrosoft Worksも同様でした。Macがビジネス分野で活用されて行く初期の段階に登場したJazzは,やがて登場するマイクロソフト社のExcelの人気の影で,ひっそりと表舞台から消えて行きました。